2017.3.01「地元と地方社会」

つぶやき

新潟に移住してきて早4年と数ヶ月が経ちました。

地方に出てきて気づいたことはいろいろあります。今日はタイトル通りのことを。

そもそも僕は東京都品川区の武蔵小山(ムサコ)で生まれ育ちました。下町風情があり、“てやんでぇ”な江戸っ子がたくさんいる活気ある町です。しかし、今は残念ながら再開発によって、チャキチャキと威勢のあった下町という趣を失い、小奇麗な感じになっています。

武蔵小山は交通の便がいいこと(僕の学生時代は目蒲線)、JR山の手線「目黒駅」から二つ目といった利便性、大規模な商店街がある……、そういった理由で昔から結構人気のエリアではありました。でも、再開発の前までは下町風情があったんですよね。下町……ってくどいですけど。現在、武蔵小山に住んでいないこともあって、地元という意識は年々薄れていってますが。

なんでこうなってしまうのか?

上記理由から外から流入してくる人たちが増えたことで地価が上がり、第一弾・第二弾と駅前開発が行われた結果、風情あるものが失われていったんでしょうね。

思い出話をすると……まずは駅前のやきとり屋で立ち食いして、そこを始点に背後に潜む入り組んだ路地裏世界へと進みます。すると、“アングラな世界へようこそ”と言わんばかりにド渋なスナックや飲み屋がコンニチワ。友達の母ちゃんが切り盛りするスナック、知り合いがやっている焼肉屋……とにかく落ち着く場所でしたよ。

生まれ変わったムサコなわけですが、管轄の品川区としては喜ばしいことですね。人が増えて、商売する企業が増えて。こう書くと、地の利があるからでしょ、って思われがちですが決してそれだけではないんです。ムサコのシンボルである、「武蔵小山商店街PALM」の組合・組合員たちによる努力だと思っています。

例えば商店街の一角が空いたから補助金を活用し、周替わりでテーマを決めてテナントを募集しようみたいなことを20年以上前からやっています。

つまり、状況に応じて自ら考え必要であれば自治体の力も活用し、やっていきましょうという考え方であること。もっと言うと、“民間が主体になって町作りを真剣に考えている!” こっちの方がしっくりきた、これです。

一方、僕が現在住んでいる地方都市、新潟は?

個人的な意見ですが、、“町おこし”“地域活性化”みたいなフレーズがつくコトは大抵、行政からコトが始まります。地方創生交付金をはじめとする各種補助金がありますから、一見すると行政からコトがスタートするのは当然でしょ?と思いがちですよね。

でも、多くの自治体は営利を追求する企業ではありませんので、まず御上からお題(町おこしなど)を与えられ、“お金をもらったはいいが、何をする?” “何か施設を作ったけどどう利益を生んでいく?” “うーん……分からないから民間に投げよう!”みたいな感覚が多い気がします。

で、行政なんかと密な間柄の民間は? 行政無しでは仕事はできない依存症となるでしょうね。そして、その仕事も利益のために受ける仕事となるでしょうから、思い入れもないタダの作業になりがちです。

よく行政主催の~コンペとかありますよね。これも一見地元企業が潤う見え方になっていますけど、実際はそうではありません。なぜなら下請けで他県に出しているかもしれませんから。

挙句、その企画・成果物は一回やって終了とか、施設は数年後には赤字となったり。こういう話は地方にはゴロゴロ転がっていますよね。

まとめると……多くの行政は利潤(特にお金を儲けるという意味で)を追求する意識はないので、民間企業が主となり行政に働きかけていくことが重要だと思います。

肝心なことを最後に。

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僕のメインタックルである「バスポンド」は、まさにムサコにあります。地元の誇り!

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